これはわたしが、悪しき者の栄えるのを見て、 その高ぶる者をねたんだからである。
なにゆえ悪しき人が生きながらえ、 老齢に達し、かつ力強くなるのか。
主よ、わたしがあなたと論じ争う時、 あなたは常に正しい。 しかしなお、わたしはあなたの前に、 さばきのことを論じてみたい。 悪人の道がさかえ、 不信実な者がみな繁栄するのはなにゆえですか。
心に罪びとをうらやんではならない、 ただ、ひねもす主を恐れよ。
主の前にもだし、耐え忍びて主を待ち望め。 おのが道を歩んで栄える者のゆえに、 悪いはかりごとを遂げる人のゆえに、心を悩ますな。
悪をなす者のゆえに、心を悩ますな。 不義を行う者のゆえに、ねたみを起すな。
悪を行う人をうらやんではならない、 また彼らと共におることを願ってはならない。
それとも、「神は、わたしたちの内に住まわせた霊を、ねたむほどに愛しておられる」と聖書に書いてあるのは、むなしい言葉だと思うのか。
暴虐な人を、うらやんではならない、 そのすべての道を選んではならない。
かすめ奪う者の天幕は栄え、 神を怒らす者は安らかである。 自分の手に神を携えている者も同様だ。
正しい者はこれに驚き、 罪なき者は神を信ぜぬ者に対して憤る。
神が彼らに安全を与えられるので、 彼らは安らかである。 神の目は彼らの道の上にある。
彼の道は常に栄え、 あなたのさばきは彼を離れて高く、 彼はそのすべてのあだを口先で吹く。
わたしはこのむなしい人生において、もろもろの事を見た。そこには義人がその義によって滅びることがあり、悪人がその悪によって長生きすることがある。
今われわれは高ぶる者を、祝福された者と思う。悪を行う者は栄えるばかりでなく、神を試みても罰せられない』」。